前々回の続きから・・・
登り後半戦開始!
容赦ない自然の粗さそのままの山道を登り続けて半分の所「夫婦岩」で休憩。散歩犬「お月」と飼い主のおじさんと記念写真を撮ったりして十分楽しんだ後再び荒行に出る。
すれ違ったオバサマ達(60代後半?)に、「これから上は険しくないですか~?」と尋ねると、「当分は平坦な道がほとんど」といういうことで勇気をもらい進み続ける。
「おねえちゃん」と呼ばれて…
しばらく歩いて、ああしんど~、紅葉の下の岩に腰を下ろして休んでいたら、上からカメラを構えたスポーティーかつダンディーなオジサマ(70歳くらい)が近づいてこられた。
「ちょっと紅葉の写真撮るからごめんね~、上の方を取るからそのまま座ってて大丈夫だから」と、立派なカメラで真っ赤な紅葉の撮影を始められる。
合間に、これから待ち受けるであろう苦難諸々についてのお話を伺う。山は人と人の距離が近くなるというが、私の場合は誰でもいいから話すことで疲労を紛らわそうとする心理が働いていたのだが…
と、その時…
「おねえちゃんは若いからここまできたらもう大丈夫やと思うよ、行ける行ける!」と言って貰って大感激(モチロン「おねえちゃん」に反応)
これで90%くらい失ったエネルギーがチャージされた。
夏に85歳の父の病院に付き添って「奥さん」とか言われてからは、自分のくたびれ具合を諦め気味になっていたが、「私まだいけるかも?」と仄かな自信が復活。
オジサマとお互いの健闘を称え合い別れた後も登りは続く。
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気楽にどんどん進むと難所が・・・
相変わらず坂は坂だが、歩き安い地面が多いため下半分に比べると楽勝。ランナーズハイみたいな境地になっていたのかもしれないが、道標の数字が、十三、十四、十五と増えていくのが嬉しくて脚はどんどん進む。
それでも、座りやすそうな場所が目に入ると、「どっこらしょ」と休憩を入れながら、幽玄の森のような風景を楽しみ、澄んだ空気を深呼吸して息を整える。
おお、あと300メートル!終わりが見えてきた!
初めての下り~、これはまるで天国~♪
と思ったら、ぎゃー‼、最後の最後に難所!これはほとんどロッククライミング( ゚Д゚)!これは、はっきり言って岩場でしょう… 小学生少女のころはこういう所はわくわくしてクリアしたものだが、脚を踏み外して怪我をしたらどうしよう・・・
下りの人も、ここは無言で最新の注意を払う。「もうすぐ着きますか~、後は楽ですか〜」の問いにも「う~ん・・・」と怪しげなお答えを返されて「ウっ…」となる。
ここからは脳内に音の世界が開ける
そうは言えども、脚は無意識に前に出る。とうとう十七丁を通過。あと一つ
ここまでくれば余裕余裕、お地蔵さまに「こんにちは〜」と挨拶をしてエプロンに何が書いてあるのか読んでみると・・
出ました!大日如来の光明真言「おんあぼきゃべいろしゃのうまかぼらだまにはんどまじんばらはらばりたやうん」
この真言は、娘の手術の時はお世話になりましたm(__)m とても強力な有名なもの。ここでも何度も唱えながら歩く。
密教マントラのイントネーションと鐘のカーンがいい!
【光明真言】聞き流すだけで除霊や厄払いに効果絶大な日本のマントラ
真言の部分だけでなく、どうせ覚えるなら初めの部分がすごくカッコいい!
そして、もう一つのお地蔵様のエプロンには、
不動明王御真言 「のうまくさんまんだーばーざらだんせんだーまーかろしゃーだーそわなやうんららたーかんまん」
こちらは、祖母が不動明王様を信仰して毎日お仏壇に向かって唱えていたためうろ覚え♪
しかし、
もう大丈夫と油断をした心の隙に最後の難所が現る!一応、階段の体をなしているが、まるで「天国への階段」だ!
自然と頭の中にツェッペリンの「天国の階段」のギターメロディーが流れる…
Stairway to Heaven 「天国への階段」Led Zeppelin レッドゼッペリン【和訳】Released: November 1971
言わずもがなの不朽の名作。この詩は文学的、哲学的であると言われており、一学期に英語の詩の学習をしていた娘も「よく分からん」と言っている。
幻想的なこの場にぴったりで、ジミーペイジの脳内ギターに合わせて天国への階段を一歩一歩上っていった。
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修行は終わった~!
キター、十八丁め!
石段を上がるとそこは人間界だった・・・いや、神様がお住いされている聖域かもしれない
道が平ら、道が平ら、道がたいら!!!( ノД`)… 平衡感覚失いグラグラしながら歩く…
ひっそりした佇まいの「奥の院」ベンチに座り静寂を聴く。ここまで2時間と少しかかってしまったが、自分ながらよく来れたものだと感慨もひとしおだ…
本殿のお賽銭箱横の「石ボックス」から、「お願い石」用に白い石を2つ選んで、脇の清水で洗った
そして、受付のお坊さんの所に持って行ってゴールドの梵字を筆で入れて頂いた。
息子よ、娘よ、受難の子供時代を送った君たちに渡したくて、母が老体に鞭打って2時間以上息をきらして自分の足で手に入れた石なのだよ。
「再度来るのはまずは不可能だろう」と生まれて初めて御朱印を頂く気になった
そして空を見上げると、登り初めはどんよりと曇っていたのに、綺麗な青空に変わっていた
「下り」に続く…
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