娘は、公立中学校の英語の授業で「ABCから始めること」に何ら躊躇も葛藤もなく自然体で授業に臨んでいました。www.tomaclara.com
入学して間もなくの、保護者でにぎわう参観日を終え、ここで見た英語の先生の場を支配する能力に感嘆を覚え、安心してました。
これなら、公立中学には散見される授業崩壊の心配もなく穏やかに授業を受けられるだろうと思ったのです。
それは確かにそうでした。
でも、この先生は場を支配しすぎて絶対君主のようになっているとわかったのは少し後の事で、まずは一番初めに「ある違和感」を感じた時のお話をします。
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初めての英語のテストで
入学後1学期の定期テストのことだったと思うのですが、その時はまだ簡単な文法に入るか入らないかくらいの時で、「英単語を覚えよう」みたいな初歩レベルの範囲です。
教科書に出てくる英単語を隅から隅まで範囲にした試験でした。そんなテストでしたが、娘はテスト勉強らしきことをせずにさっと教科書を見るだけで、案の定、2問✖で帰ってきました。
基本、私には返却されたテスト用紙など見せることのない娘なのですが、
「これ、なんで違ってるのかわからないわ・・・」
と、持ってきたのです。
まずは、問題用紙を見てびっくり! こんなのが中学校で初期のテストだなんて、この神戸市東灘区の公立学校のレベルの高さのしみじみ感じさせるに十分な代物(シロモノ)でした。
一つ目の✖は、娘も納得。教科書のわかりにくいところに書いてあった単語のスペルが惜しいところで間違ってました。
⛵ヨット⇒ 「yatch」
ですね。綴りが難しいので、塾などでは念入りに教え込まれる、注意すべきスペルです。これは、見落としていた娘が悪い!
問題は2つ目で、こんな問題です。
( )に中に適する英単語を入れなさい。
明石はたこで有名です。
Akashi is famous for ( )
さて、( )に何が入るでしょうか?という質問でした。
まず感じたことですが、この問題が含まれる大問全てに、中一の最初のテストの問題でありながら、be famous for ~ や、他の問題でも be made from ~等の、少し進んだ文法や熟語がちりばめられていることでした。
英会話をしていた子供なら違和感ないですが、初めての子供はびっくり仰天だったかもしれません。何しろ教科書のテスト範囲のどこにも書いてないのですから。だから、平均点は恐ろしく低いものだったということです。
娘の解答は・・・
さてさて娘の解答はというと…
Akashi is famous for ( )
この( )の中、中学生ならおそらく、いや、大学受験生でも 1000人に999人が、 蛸(たこ)に対応する英単語である
(octopus)
と入れるのではないでしょうか?
しかし、娘の書いた答えは少し違っていました.。
Akashi is famous for ( its octopus ).
狭い( ) の中にギュウギュウの小さい字で敢えて詰め込んでいたのです。
そして、採点はどうだったかといいますと、迷うことなく「✖」とされていました。
恥ずかしながら、私も娘の解答を見るまでは、100% (octopus) だと思っておりました。だって、これは中学の一番最初のテストですから解答も単純なものである筈という思い込みもあり、一語分の( )のところに2つも単語を入れるとか普通は考えられませんよね。
でも、TOEICであれだけの成績を取った娘がそう書くからには何か意味があるのではないかと思い、ちょっとネットを検索しましたら、案の定すぐに大量に出てきました。
沢山の英語ブロガーさんも、これは注意すべき言い回しだと書いてられました。
”「日本人が英語でよく間違える点ですが、各地の名産物を紹介する場合は、
be famous for の後に its を入れて、その後に普通名詞の名産物 を書きます」”
という具合です。
例を挙げますと・・・
いっくらでも出てきます‼
勿論、be famous for の後にits が来ない場合もありますが、どちらかというとこちらの方が出番は少ないかと感じます。
London is famous for Big Ben. (ロンドンはビッグベンで有名だ)
Usain Bolt is famous for his speed.(ウサイン・ボルトはスピードで有名だ)
等々。
結局、このように、ご当地名産を紹介する時は、
be famous for its 名産物
とするべきであり、「定型として覚えておくことは」、英会話の勉強を少しすれば行きあたる部分であります。NHKの中2レベルの基礎英語2でも取り上げられたことがあるようですね。
勿論、its を書かなくても間違いとは言えませんが、ネイティブスピーカーにとっては、この所有格のitsがない方が違和感ありありになってしまうらしいのです。
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先生の「姿勢」のわかる出来事の第一号
そこで、先生の採点に戻りますが、「娘が敢えてits を入れた解答」を見て、英語を専門にする人間なら、当然感じてしかるべき疑問を感じられることがなかったのでしょうか?ということです。
「ん? こんな解答は見たことないけど、英語が得意な藤田さんが敢えてこんな事を書いているのは何でかな?ちょっと調べてみよう」
という「姿勢」です。
少しネットを調べれば、すぐに答えは出ます。或いは、職員室にいるALTのネイティブ教師に聞けば一瞬にして、娘の意図が正しいことを証明されるようなことです。
当初は、1つくらい間違った採点があってもいいから放っておこうと思ったのですが、この学校の内申点争いの熾烈さを考えるとそうも言ってられずに、翌日娘に先生のところに持って行かせましたら、やっとネイティブの先生に聞かれたみたいで翌日くらいに〇になって返ってきました。
こんなことが一度あれば、以降は、娘の解答を少しは尊重して採点されることと思いましたが、それ以降も同様の事が続きました。そこで、娘と「もう言いに行くのは煩わしいから、一問くらいいいか・・・」と、放置することになってしまったのです。
この頃は、ご自分より遥かに高い娘の英語力を知っていながら、迷いもなく✖をつけるその(まるっきり謙虚さを欠く)姿勢が感じられてしまって少しがっかりしていました。
これは、英語を中高生に教えることを仕事にしている私だから尚更違和感を感じた、というか「信じられないやり方」に思えたのです。
学校についていけないような生徒さんを教える時でも、このような意表をつかれる解答を書いてくれば、私なら絶対に一旦は調べてから、「これは、こういう理由で違っているよ」と説明がついて、初めて✖としているのですから・・・
でも、今になって思うのですが、この方は、娘に✖をつけることを内心喜んでられたのかもしれないと…
これは一概に私の邪推として片づけられる問題ではなく、そのような気持ちにさせられるような場面が、英語授業の中でこれ以降いくつかあったのです。
以降、現在に至るまでこの出来事は、英語授業の「教室における支配と被支配の構図」の象徴として、私の脳裏に刻み込まれることとなります。
(何しろ、自分のクラスの生徒が長期入院した当初、一度も見舞いに来ないばかりか、被害生徒の親である私を欺き娘の学校事故の隠蔽に最も加担された人物なので辛口の記事になることご了承ください)
♡第2部フィナーレ真っ最中!最後の力を振り絞り頑張っております。引き続き毎日の応援をお願いできれば嬉しいです♡