Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~

小学6年でTOEIC980点を取った女の子のお話。中学1年での、学校体育時の事故が原因で「脳脊髄液減少症」を発症。寝たきりから「復活」の兆しが…

「子供の睡眠専門外来」の診察室で「笑顔」と「心配」の再会

先日、双方ののキャンセルが続いてなかなかたどり着けなかった神戸市西区のあの懐かしい病院の診察室へ、1年半ぶりにやっと伺う事が出来ました。

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電車が遅れて駅からはタクシーとなり、懐かしい青い門が見えてきます

京都の自宅からは片道2時間半かかりました・・・受付を済ませて別棟の子供の睡眠外来へと向かいます

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思い起こせば中3の終盤の2月、土壇場で、全日制高校に通えるどうかというところで福山の病院で5回目のブラッドパチをしました。これでダメだったら通信制高校にしようと思っていたのですが・・・やはり睡眠障害による過眠傾向、特に朝の覚醒困難は取れません。

 

そこで急遽、2月のの末からここ、神戸市西区にある子供のための睡眠障害の入院施設に入れて貰う事になりました。そこでの治療で娘は期待以上の変化を見せたため、急いで今の高校に入学受け入れが可能かと打診をしたのです。 

 そして、玄関前で入学のための面接をして、無事、滑り込みで受け入れ可能となったのです。

 

病気の治療だけでなく、ここでの集団生活は、娘がずっと奪われていた「同年代の子供の集団」に所属しての生活の場となり、凍て付いていた娘の心は徐々にに解きほぐされていったのです。

あまりに居心地が良かったようで結局4月まで入院することになりました・・・

 

 この病院の入院施設は、言わずもがな、娘の人生に大きな意義を与えたことになる大切な場所なのです。

 

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K先生は大恩人

 初診の時に、

「ブラッドパッチでも取れなかったこの過眠はおそらく治らないだろうなぁ…」

 

と、ダメ元で来たところのある私たちに対して、主治医のK先生(中年男性)はこう提案されたのです。 

 

「脊髄液の病気?のことはわからないのだけど、一度入院してみたら、何か良い変化があるように僕には思えるんだけどなぁ・・・」

 

と、優しい声のトーンで娘を入院生活にいざなって下さったのです。この先生がいなければ、このタイミングで入院できなければ、娘は今の学校にいることはなかったという、娘の人生の転換点となった病院であり先生でありました。

 

そして、退院前の診察では、K先生はとても心配されていました。

「ずっと学校に行った子が全日制に行きなり戻るのはしんどいことが多いから心配だなぁ・・・」と。

 

心からそのような心配をされていたため、今回、娘がこうして無事2年生に進級した姿で再会できたことをとても喜んで下さいました。

 

しかし、今回またまた新たな心配をされてしまわれました・・・

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快眠した夢を食べるこの診察室の象徴「獏」さん

 

それは 娘が「海外の大学へ行きたい」という気持ちを話した時です。

 

K先生も過去2年間米国に留学されたそうで、

「初めの1年間は本当に大変だった💦言葉がわかるようになるまでのストレスはほ~んとに大きいよ~。でもくららちゃんなら、言葉はたぶん大丈夫だけど…問題は体調だな・・・お母さんは一緒に行かないの?」

 

と言われた途端、娘が

 

「いぇ、行きません」

 

とぴしゃり。

現在毎日のように付き添ってあちこち言っていますが、留学に関しては余程一人で行きたいようですね・・・

 

自由に羽を伸ばしたい気持ちはわかりますが、健康な人でも生活基盤を整えるまでがどれほど大変か、まるでわかっていない娘です。

 

なんだかんだお話していたら40分ほど経過していました。これほど時間を取っていただける病院も珍しい… なので、初診は数か月待ちとなるのですがね。

 

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やはり無名の「脳脊髄液減少症」

 

最後に、娘が学校に出す診断書が欲しいと言うのでその相談をしました。朝の覚醒困難のためホームルームの中の聖書の時間に出席が厳しいことがあるため、少しでも理解と配慮を頂きたく、そのためにはやはり「診断書」があったほうが娘も安心だそうです。

 

「うーん、診断書で配慮してもらえる学校とそうでないところがあるから、どうかなぁ・・・」

 

と言いながらも、さっそくパソコンに向かって書く気満々のK先生でした。

 

しかし、気になったのは診断書の中に脳脊髄液減少症の下りを入れる際に、この病名を正確にはご存じなかったという事です。

「脊髄液○○。。えっと・・・何でしたっけ…??」

という具合です。脳脊髄液減少症の髄液漏れにより睡眠障害が出現する率は高く、この病院に来ている子の中でもおそらくこの病気による人がいると思うのですが…。

 

明石の病院のN先生が嘆いておられたように、小児科医の大多数がこの程度の認識しか持っておられないのが現状です。

 

娘の事例をもとにでも、小児科の先生方が脳脊髄液減少症と過眠のことにもっと関心を持って頂けたらなぁ、と最後につくづく思った再会でありました。

 

帰りに、懐かしい売店でここにしかないというクラッカーを買って

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あの日、寒風吹きすさぶ中、面接試験をした石のベンチをしみじみと眺めて

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オレンジ色の明石駅行きの神姫バスに乗ってこの大好きな病院に別れを告げたのでした

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バスの窓から病院に別れを告げる



 

 

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