先日、患者さん仲間のお母様から、子供たちの「重すぎる通学鞄」がネットニュースでも取り上げられていることを教えて頂きました。
思えば、数十年ほど遡った私の子供時代も重い荷物を持って学校に通いました。小学校は徒歩3分で良かったですが、中学は学校の教科書や体操服や部活の用具などをデカいスポーツバックと入りきらない分をサブバックに入れて徒歩20分くらいを歩きました。
帰宅後はもう疲れ果ててていましたが、でも、これが当たり前だと思っていたので文句も言わず耐えて通っていましたし、学校に物申すなど憚られた時代だったため保護者の間でそれが問題になる事も無かったのです。
時は経過し、保護者も学校に対して物言える時代になり、不合理な決まりは廃され何事も子供の負担軽減の方向に進んでいると思いきや、まだまだ昭和と変わらぬ重い負担を子供は強いられていると知り驚きました。
今の子供の方が、学校で電子タブレットを使ったり、教科書自体も絶対的に重くなっているので負荷は更に大きいのですよね。
なのに、未だに半数近くの小学校で起き勉が認められないのは、ちょっと可哀そうなのでは・・・
まずは、この記事です☟
深刻な小学生の「ランドセル症候群」重さで心身に不調 識者は「置き勉」を推奨、ダメならカバンに工夫を
小学生の3人に1人が「ランドセル症候群」になっているという調査結果が、学校用水着開発の大手「フットマーク」(本社・東京)から発表された。その現状や対策について、同社の担当者や専門家に聞いた。
【写真】これが新ランドセル「ラクサック」 教科書を背中側に固定して軽く感じる
「ランドセル症候群」とは、自分の身体に合わない重さや大きさのランドセルを背負ったまま、長時間通学することによる心身の不調を表す言葉。小さな体で3キロ以上の重さがある通学カバンを背負って通学することによる筋肉痛や肩こり、腰痛などの身体異常だけではなく、通学自体が憂鬱に感じるなど気持ちの面にまで影響を及ぼす状態をいう。
同社が実施した「ランドセルの重さに関する意識調査」の対象は、通学にランドセルを利用している小学1-3年生とその保護者1200人。対象児童の90・5%が「ランドセルが重いと感じている」と回答し、保護者の85・8%も「子どもにとってランドセルが重すぎるのではないか」と感じているという。ランドセルの重さは平均3・97キロで、3キロ以上ある割合は65・8%。重く感じる児童の3・1人に1人が通学時に肩や腰・背中などの痛みを訴えたことがあると判明した。
「たかの整形外科」(東京)の郄野勇人院長は「米国の研究では、背負う荷物の重さは一般的に体重の10%が望ましいという結果が出ています。小学1-3年生の平均体重は約25キロなので、2・5キロ以下が適切な重さだと言えます」と解説。「ランドセルの中で荷物が揺れ、背中から中の荷物が離れてしまうと、重さがすべて肩にかかってしまうため、肩こりや 痛みの原因になる場合があります。また、荷物を支えて歩くために前傾姿勢になりやすく、肩甲骨や背中にも負荷がかかる」と説明した。
その解決策として「教科書を学校に置いて登下校」が有効だ。いわゆる「置き勉」だが、それができない現実がある。ランドセルの重さと子どもへの影響を研究している大正大学の白土健教授は「根本的な解決には『置き勉』など、持ち運ぶ荷物の軽減が重要だが、置き勉を禁止されている小学生は46・8%と半数近い。このような傾向の中では、置き勉の実現は相当ハードルが高いと言えます」と指摘した。
一般社団法人教科書協会の「教科書発行の現状と課題(2021年度版)」によると、小学1-6年生が使う教科書のページ数は全教科の合計が05年の4857ページから、20年度は8520ページと倍近くに増加。20年度から始まった新学習指導要領ではICT教育が推進され、一部の小学校では児童に電子端末が支給されて教科書以外の副教材の数も増えている。同社の調査では、副教材などを入れたサブバッグをランドセルとは別に持って登校する割合が92%もあった。
白土教授は「私が2018年に実施した調査では平均7・7キロ、最も重かった人は9・7キロと、非常に重い荷物を背負って通学していることが判明しています」という。こうした懸念から、文部科学省は通学時の荷物の重さに配慮する通知を昨年に出し、既に「置き勉」を認める学校も出ているが、実現していない現場もまだ少なくない。
同社では「荷物を減らすことはできないけれど、軽く感じる工夫はできる」という視点から、重量のある教科書類を背中側に密着させて固定することで軽く感じる機能を持った新しいランドセル「RAKUSACK(ラクサック)」を開発した。
白土教授は「通学カバンや背負い方を工夫することで、子どもたちの負担を減らしてほしい」と望む。郄野院長は「荷物が背中側から動かないように固定することで肩への負担軽減や前傾姿勢を防ぐことにつながる。また、肩だけではなく背中全体で荷物を支えるよう、チェストベルトを利用し、身体の後ろ側にかかっていた負担を前面に分散させることで楽に感じる」と力学的な面から解説した。
「置き勉」 がNGなら、こうした体への負担を軽くするバッグを選ぶことが対策となる。その上で、今後、教材そのものを大量に持ち運ばないで済む策が求められている。
白土健教授は、よろず~ニュースの取材に対し「私は『置き勉』に賛成です。NGと考える方は、『(家庭での)予習復習に必要』とされているのだと推察します」と指摘。根本的な改善策として「家庭学習の必要性を今一度考えてみるのも良いと思います。家庭でできる学習を今後構築することが大事だと考えます」と提案した。
コロナ禍は、この「家庭学習」の可能性を模索するきっかけにもなった。「学校の勉強は学校で」「教科書を置いて家に帰ろう」という認識が「ランドセル症候群」によって広がる可能性もある。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)
何事においてもそうであるように、もともと丈夫で病気や怪我に縁のない子供なら問題視もせずやり過ごせるのですが、体格の小さい子や虚弱気味の子にとって「通学」はかなりしんどい時間になっている現状が日本全国どこにでもあるのです。
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保護者の敵は保護者?
久しぶりに戻ってきた京都ではどうだろうかと思い検索したところ、やはりこの地でも通学時の重すぎる鞄は争点となっており、京都新聞でも一歩踏み込んだ記事となっていることがわかりました。
通学「肩もげそう」9キロのリュック、猫背や肩凝り…「置き勉」進まず、姿勢や成長へ心配の保護者|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞(2/2)
通学「肩もげそう」9キロのリュック、猫背や肩凝り…「置き勉」進まず、姿勢や成長へ心配の保護者
京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた「子どもの通学時の荷物が重い」との声を元に、教科書を学校に置いて帰る「置き勉」などの改善策が進まない現状について紙面で取り上げたところ、多くの意見が寄せられた。重い荷物による子どもの姿勢や成長への悪影響を心配する保護者が多かった一方、学校に改善を求める姿勢に違和感を持つ人もいた。
目立ったのは重い荷物による子どもの肩凝りや猫背の姿勢を心配する声だ。京都府南部の40代母親は市立小3年の娘について「毎年肩を痛めて整骨院に通っている。そのたびに荷物は全部学校に置かせてもらうが、治って通常に戻すとまた痛めての繰り返しになる」と打ち明けた。「学校に置いて良い教科書は副読本など一部だけで、ほとんどが持ち帰り。学校が高い場所にあり毎日5~6キロの荷物を持っての登下校は新入生には特にきつい」と子どもの苦労を思いやった。
京都市中京区の40代母親も市立中1年の娘の肩凝りがひどいとし「(荷物は)かなりの重さで、リュックで9キロほどある。中学に進学してから猫背が顕著になってきたように思う」と懸念した。西京区の市立中1年の娘がいる50代母親も「新型コロナウイルスの影響で7時限まである月曜は特にリュックが重く、『肩がもげそうだ』と娘は言っている。中学に通う子どもたちを見ると、みんな下を向いて重いかばんを背負って前かがみに歩いている。中学生の姿勢の悪さはこの恐ろしく重いかばんのせいだと言っても過言ではない」とし、健全な成長を妨げないよう一刻も早い改善を求めた。
子どもたちが学校携行品を負担に感じる要因として近年の教科書が重くなっているとの意見もあった。奈良市の小学校教諭の男性(59)は「20年前や30年前と比べて明らかに重くなっている」と指摘した。理由として、B5判からA4判へのサイズアップ▽ページ数の増加▽カラー印刷に対応した紙質の向上▽上下2冊構成から1冊構成への変更-を挙げた。「同じ教科数の教科書をランドセルに詰めても、(今の方が)かなり重くなっている。ランドセルは軽量化されたが、教科書が重くなっているため負担が増している」と推察した。
先の宇治市の母親は「問題なのは子どもたちが自分で選べないこと。持ち帰りが負担でない子は持って帰り、宿題(に使う教科書)だけ持って帰りたい子はそうすればよい」と提案。子どもが体を痛めて初めて配慮するのではなく、最初から大人が子どもを守らないといけないと強調した。
この記事では、成長期の子供が過重な荷物を背負い毎日一定の時間を歩くことによる、身体への影響を懸念される多数の保護者の声を届けています。
特に最後のご意見にある、「子供たちが自分で選べないこと」「子どもが体を痛めて初めて配慮するのではなく、最初から大人が子どもを守らないといけない」というご意見には激しく同意をする保護者が多いことでしょう。
学校側の意見と子供の健康を守る保護者の見方はこんな感じでまとめられています。
一方、記事では公平性を保つためでしょうが、少数意見として次のような保護者のご意見も紹介されていました。
■「そこまで親が口を出すのか」
置き勉に賛成する意見が目立った一方で、保護者が学校に改善を求める姿勢に違和感を抱いた人もいた。高校1年の娘がいる左京区の50代父親は「置き勉についていろいろな意見や主張があってもいいと思うが、そんなことにまで親が口を出すのかと驚いた」と感想を寄せた。「親と子がコミュニケーションを取ることは大事だが、最近はわが子を思うばかりに思考が停止しているのではと思う保護者の意見をよく耳にする。親を使って学校への不満をぶつけようとする生徒、親の意見を必要以上に気にする教師や学校。何か違うような気がする。かわいい子には旅をさせろと昔はよく言ったが、その言葉の意味をいま一度考えてもらいたい」とした。
携行品の負担に関しては文部科学省も2年前に問題視し各学校に軽減を求める通知を出した。それを受け積極的に置き勉を導入する学校もあるが、「教科書は家庭学習に必要」「学校に保管場所がない」「置き勉をすると紛失が心配」などの理由で進めていない学校もある。学校の制約がある中でどう携行品の負担を減らすか。問題が起きているのならば学校や保護者、子どもらで共に解決策を考えることが大事だろう。
まぁ、少数意見としてはこんな極端なものしかなかったのだろうかとも思いましたが…
これこそ「思考停止状態」のお父様のご意見ですね💦 本物のモンペの下らない学校への文句と、このような子供の健康に悪影響を及ぼす問題の改善を訴える理性的な声を何故、同一視されるのか不思議です。
大事な子供の身体を痛めかねない規則が一向に変えられないのならば、それこそ保護者が声を上げないで誰が突破口を開くことができるでしょう?
子供が訴えて先生が動きますか?校長先生が地域の他校に先んじてこのような悪習の改革に乗り出すと思いますか?
基本、学校には自浄作用はありません。
神戸市では、こんな感じの不合理な校則が山ほどありますが、中学校での男子生徒の丸刈り強制一つを変えるのも本当に大変だったようです。
冬場の白い短ソックスやコートの着用禁止とかも、娘の時代にはまだありましたし、置き勉もできませんでした。
神戸市立中学校の不可解な体質 カテゴリーの記事一覧 - Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~
でも、近年、神戸新聞社がブラック校則の特集をするなど(娘の記事を書いて下さった記者さんが担当でした)、子供も大人も医師や教育学の専門家も声を上げておられますが、ここまで来るのに既に数十年の月日が流れているのです。
京都新聞の記事では最後に、医師の意見(これが一番効果的!)を紹介しながら、重い鞄の不合理さに疑問を投げかけています。
■年齢、成長に応じた規定必要
丸太町リハビリテーションクリニックの森原徹院長(整形外科)の話
子どもの荷物が重すぎるのは良くない。腰に負荷がかかると腰痛の原因になる。荷物は背中で背負うランドセルやリュックで運ぶのが良い方法だが、重いとバランスを取ろうと前傾姿勢になり上を向きがちになって首が痛みやすくなる。肩凝りにもなりやすい。
体幹の筋力がしっかりしていれば良いが、小学生は筋肉や骨の成長が未熟だ。子どもを守るためには年齢や学年に応じて体重の15%以内などと荷物の量を規定するべきだろう。手提げ袋は中腰になりやすく、ショルダーバッグも左右の肩のどちらかに重さがかかるので、背骨のゆがみにつながらないよう注意すべきだ。
高校生になれば体幹がしっかりするのである程度は大丈夫だが、男女や学年で筋力も違う。姿勢が悪くなり腰痛が悪化するとスポーツ全般に影響する。電車通学の生徒もいるため一定の配慮が必要だろう。
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ある高校の改善のきっかけは警察!
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