先日の続きです。
「音楽で表現をすること」へのスタートライン
小さなころからお世話になっている先生なので、娘が緊張したりストレスを感じることなくレッスンを受けている様子が眼前に流れます。
それは、事故によって失われた時を取り戻そうとする試みでもありますが、その辛い経験が糧となり心が成長したかのように見える娘が、「新しい自分を表現する手段」を初めて手に入れようとする模索にも思えます。
「前とは比べ物にならないくらい、自分の内面を音に表現しようとする気持ちが伝わってきます」
と先生が後でおっしゃって下さいました。
私は先生ほどにはわからないのですが、技術的には以前はもっとすらすら弾けたような箇所で躓いたり音を外したりして苦労をしている反面、さっと弾き飛ばしていた所に心情を乗せようとする意志が見えるような気もします。
確かに以前は、まるでスポーツのようにアクロバティックに弾き飛ばすことで満足していましたが、それ以上に大切な「音楽を感じてその世界を作り上げるための表現力」を学ぶ心の土台が2年少しの時を経て内面に築かれてきたのかもしれません。
今までは、京都の先生も神戸の先生もそれを教えようと一生懸命になられても、娘には消化不良でした。
でも、2年と少しの「尋常でない世界に生きた」時を経て、娘にも表現者である先生方の言葉を受け取れる器が自分の内面にできてきたのを感じられているのではないでしょうか?
上手いとか下手とは関係なく(今は間違いなく下手ですが…)、これは娘の成長において大きな変化であるのです。
その記念すべきスタートのためのファーストレッスンがこちらです(6月6日)
譜読み一週間後なので、まだ音が全然捉えられていませんが、昔の娘とは明らかに違う音楽への姿勢が感じられるような気がします。
バイオリンに触れられなかった「2年の日々の前と後」で、先生と娘を結ぶ音の絆は全く変わっておらず、一瞬にして小さかった頃にいたレッスン室の風景が蘇りました。
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発表会とブラッドパッチ
この日のレッスンで、発表会を8月の下旬に予定されていることを知りました。今の状態では当日の体調でドタキャンをしてしまう可能性もありますが、目標を持つことで気持ちがしっかりするという側面もあります。
そんな中、福山の病院から青い封筒が届き、中にブラッドパッチの予定と術前に書く大量の書類が入っていました。
前回の入院から多忙を極め、最後の診察時に念のため7月15日にブラッドパッチの予約を入れていたのを完全に忘れていました…もう一ヶ月後に迫っています。
今度こそは完治して生まれ変わったように元気になれば勿論のこと、生憎、まだ尚試練の日々が続く結果になったとしても、悪化しない限りは「その時あるがままの自分が表現できる音」を懐かしい音楽仲間の皆さんの前で奏でられることが、娘の成長の証に他ならないと私は信じるのです。
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