Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~

小学6年でTOEIC980点を取った女の子のお話。中学1年での、学校体育時の事故が原因で「脳脊髄液減少症」を発症。寝たきりから「復活」の兆しが…

小6でTOEICを受け(させ)ようと思った理由③-合格の太鼓判を貰えていた娘-

芦屋国際のことを前回、

 

前々回

 

と書いたことで、少し鬱になってしまいブログに近づけなくなってしまっていたが、頑張って再開する。

娘の志望校であった芦屋国際中等学校は、学力試験が無いため誰でも気軽に受けられる学校である。入学試験として課されたのは以下のものである。

  1. 日本語での作文・・・ 課題解決のような問題で、ちょっと作文の得意な中学生くらいなら、何の準備をしなくともそのまま書けそうな問題である
  2. 日本語での面接・・・ 短い個人面接である。日本語のレベルにより、聞かれることは違うらしい。


こんな作文のためにわざわざ塾に行くのも何だかなぁと思ったが、傾向と対策についての情報収集をするべく、芦屋国際中学受験の作文専門教室を当たってみた。すると、西宮に一件、月謝が高めのところと、御影に一件、月謝が安いところがあった。合格率はあまり変わらないようだったため、迷わず御影に電話をかけてみた。

6月くらいだったが、電話に出たここの教室長は大変誠実で丁寧な対応で、「この時期から始めなくても、受かる子は夏休みすぎてからでも受かってますよ」という話だったので、迷わず夏休み明けから行こうと決めた。儲け主義ではなさそうな対応に好感を持てた。

そして、夏が終わり、9月か10月か忘れたが、手続きをしてここに預ける事となった。大変ユニークな塾で、お菓子を食べながら、教室長の単なる好みか、リラックス効果で右脳を刺激して良い作文を書かせるためか定かではないが、華原朋美と小室哲也とか尾崎豊とかのあの時代のヒット曲を流しながら作文を書かせるらしく、緊張感ゼロの和気あいあいとした環境で、同じところを目指す友人もでき娘は大変楽しく通っていた。

ある日、教室に入って間もない一回目の作文を書いた頃、塾長と電話で話した際、衝撃的なことを言われた。

「お母さん、娘さんは実にいい作文を書かれます。滅多にこんな事はいいませんが、初めからこのレベルだと大丈夫だと思いますよ!」

と、合格の太鼓判を押されたと、私には受け取れるような事を言われたのである。実は、娘は小さい頃から、「人とはちょっと違った角度から、感想や意見を言う子」と言われることがよくあった。小さい頃書きなぐった文章を見ても、「おっ!」と思う物もあって、捨てずに残しておいた。思えば、幼少から英語の文章に触れていることから、あちらの文化圏の感性も併せ持っていたのかもしれないが、沢山の合格者を出している教室の経営者が言うのだから実際に合格できる作文を書ける子だったのだろう。

教室内の帰国子女の子達は、作文に苦戦しており、なかなか合格点が貰えなかったようだが、娘の評価は最後まで高かった。

この作文が曲者なのであるが、「子供らしい素直さ」をアピールすることが必要らしく、教室内に賢そうな男の子がちょっと背伸びして理屈っぽいことを書いたりするのはNGだとか、いろいろ制約があった。ある時、私が出しゃばって宿題の作文にアドヴァイスをしたことがあったが、塾長は「これはお母さんが手伝ったね!」と見抜いたため、やはり、大人の書く文章と子供の文章は違うと見る人が見ればわかるのだなと感心し、一度きりでもう手を出さなかった。

娘は卓球で痛めた右手の腱鞘炎が悪化し苦しんだが、ものすごい数の作文課題をこなし、どんな問題が出ても時間内に答案を書ける自信と術を身につけた。

冬になると、面接の練習が始まった。これは娘にとってはなんの問題もないものだった。小さいころから、スカイプで1時間くらいぶっ通しで大人である先生と英語でディスカッションするなど何の苦もなく娯楽のように楽しんでいた。娘がディスカッションで言葉に詰まったことは一度も見たことがないほど、自分の意見や考えを述べる事には長けていた。(この半年後には英検一級の面接も高得点で受かっているので親のひいき目ではない)

小学校就学前から英検の面接を受けており、英検準1級合格時には、面接はほぼ満点に近い点でであったことから、受験の時点で「面接」の空気は全く平気であったと言える。相手の目を見て、にこやかに自分の考えを述べることぐらい、朝飯前だ。

おまけに日本語なんだから。知り合いの高校教師が、就職試験を受ける生徒のための面接の担当をしていたので、試しに娘を面接してもらったが「高校生も顔負けなほど堂々としており、子供らしい素朴さ、見た目の清楚さ、日本人受けする謙虚さも備えており、何処へ出しても大丈夫!」面接でも太鼓判をもらった。

こんな状態で、問題なく順調に合格に求められる水準をクリアしていったと思っていたのであるが、それでも、「点数化」されない試験なので、まだ気は抜けなかった。この作文能力と面接能力の高さに加え、小学校での活動歴、学校対抗卓球大会の受賞歴、そして何よりも、資格としての英検準1級はおそらく受験者の中でも英語の能力を示すものとして、帰国子女を含めてもかなり高い方だろうから大きな武器となりえると思った。何せこの学校は

3.コミュニケーション能力異なる文化を理解・尊重する態度など豊かな国際感覚を備え、国際社会に貢献できる力を育てる。

兵庫県立芦屋国際中等教育学校 教育目標より


という教育目標を掲げているのだ

帰国子女のように環境の力を借りることなく、日本にいながら独力で英語力をつけ、外国人とどんな話題についても臆せず堂々と意見を言い合える娘、中華学校にも3年間籍を置き、多国籍多文化の中での身の処し方を体得し中国語も理解していた娘は、12歳にして、ある意味、既にこの教育目標3.を知らず知らずのうちに実践していたと言えるのだ。まさに、学校が求めている人材である!と思っていた。

独力でここまで高い英語の技能を獲得したということが、何よりもその子の人となり、継続的に努力する力や知的好奇心の高さを物語るのではなかろうか?受験専門の教室で対策され尽くした作文や、数分間の面接での印象よりもその「人物」を物語るものとして信憑性があるものではなかろうか? おまけに作文や面接でも専門家の太鼓判を押して貰えていたのである。

こんな子供を、国際人を育てる芦屋インターナショナルスクールへの「合格に最も近い子供」と思わない親はあるだろうか? いたら教えて欲しい。

 

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