前回はブラッドパッチ前後から出現する、良くなったり悪くなったりの体調変化に慄く親の動揺についてでした。
今日も、外はどんよりの曇り空。娘は 起きるのに苦労しておりましたが、なんとか現在、訪問授業を受けております。頭痛も少しあるそうです。
一喜一憂の繰り返しでリミッターが外れてしまい平常心を失う私を尻目に、一方、娘はこんな日も「泰然自若」として慌てず騒がず、授業開始(3時)の1時間前に寝床からのそりと起き出し、部屋の整頓から掃除機かけまで粛々とこなすのでした。
以前ほどではありませんが、覚醒困難はまだ確実にありますが、肝の据わった娘を見習い、落ち着いて、天候が回復するのを待つことにします。
一回のブラッドパッチでどこまで症状が取れるか?
ここで、福山のM医師の最後の診察時の言葉が蘇ります。
「この一回のブラッドパッチで、どこまで改善するかですね・・・」
確かに、福山にブラッドパッチをしに来られている患者さんは、5回目とか7回目という方がおられ、一度漏れて長期間が経過していたら、なかなか1度では漏れは止まらない人が多いような印象を受けます。
急性期では、1度のブラッドパッチで完治した人もおられますが、娘は発症から、もう2年近い日が過ぎているのです。
そこで、「今何を考えるべきか?」ということですが、取り敢えず、来月辺りに、福山に娘を連れて診察とMRI検査に行ってみようと思います。
そして、その時に、アートセレブ(人工髄液)注入の治療についてご意見を伺おうと考えます。
減った髄液が元に戻るのは、3か月とか、半年とか言われていますが、脳脊髄液減少症歴の長い知人の場合は、
「14年目で、元の正常な状態に戻ったという感覚を持った」
のだそうです。
14年も待てません!娘は完全な社会復帰できないまま、30歳の中年女性になっているし、私は相変わらず娘の世話を続けながらお婆さんになるという悲惨な光景が目に浮かんでしまいます。
アートセレブ(人工髄液髄注)とは
ここからは、脳脊髄液減少症治療で有名な東京、山王病院の高橋医師のサイトから引用させていただきます。(色付けはブログ筆者による)
脳脊髄液減少症を自転車のタイヤのパンクした状態に例えるなら、パンク自体を止めるのがブラッドパッチや、フィブリン糊パッチです。 そして空気を入れる治療の代表が人工髄液(アートセレブ)注入です。
つまり、人工髄液を脊髄硬膜内に直接注入することで、漏出により減少した髄液量を増やして、脳を正常な位置に戻すという治療法なのです!
アートセレブ治療の適応は、
「ブラッドパッチなどで、髄液の漏出は止まっているが、髄液が少ないと思われる症例」
を考えています。
なので、ブラッドパッチを複数回施行していて、治療効果に限界のある症例が対象なります。
まだ症例が充分でないので、きっちりと統計を取っていませんが、アートセレブの有効率は、約50%程度かと思います。
効果の発現は、治療後にすぐに表れる方もいれば、数か月経過して症状が軽減される症例もあります。
効果の持続期間も、人それぞれです。
アートセレブ治療を多く施行し、その後に髄液漏出を併発した症例があり、治療回数は多くすべきでないと考えています。
現在当院では、治療の追加が必要な体調であっても、アートセレブ治療に関しては、最低6ヶ月は間隔を空けるようにしています。
効果が数カ月して発現する症例があることと、総治療回数を最小限にとどめたいという考えからです。
アートセレブ治療を行っている治療施設が極端に少なく、当院でも治療を開始して1年程ですので、まだまだ不確定な部分が残されています。
今後も症例を積み重ね、治療成績向上に努めたいと思います。
髄液が漏れ続けている状態では、これを行っても、また硬膜の亀裂(穴)部分から、髄液が漏れ出てしまうので、効果は持続しません。
しかし、 アートセレブを注入するときに、髄液圧を見ながらするのですが、その圧のかかり方で、「漏れがあるかどうか」が医師にはわかるらしいのです。
ホメオスタシスを正常化する目的でも使用される
娘のように、2年近く脳内の髄液が漏れにより少ない状態で生きてきた人がブラッドパッチによって漏れが塞がっても、脳が誤って、今までの少ない状態の髄液量を正常と判断してしまい、なかなか髄液の生産が増えない場合は、回復が遅れます。
アートセレブで髄液量を一次的に増やすことで、その状態を正常と脳に認識させ、その増えた状態を維持するべく髄液生産がなされるという状況にもってゆくのです。
人間の脳に備わった、ホメオスタシス=恒常性維持機能 を利用しているのですね。
娘の髄液漏れが完全に塞がっているかを漠然とですが、知る方法として、RI脳槽シンチという放射性物質を硬膜内に入れる検査があるのですが、これをする前に、アートセレブを行うのも一手かもしれません。
どちらも、硬膜に針を刺す爲、そこからの髄液漏れの可能性はゼロではありませんが、針を刺した箇所に念のためにブラッドパッチをされる場合も多いです。
同じリスクがあるのなら、先に一度アートセレブ治療に踏み切ってもいいかもしれないと考えます。(自費治療になります)
以上のことを踏まえ、以下2つの、次の治療への選択肢の妥当性を医師に相談しようと思います。
① 事実としてブラッドパッチで改善が見られたのだから、次のブラッドパッチを受ける
② アートセレブ(人口髄液)をすることによって、漏れの有無を確認するとともに髄液量を増やし改善速度を速める
明日、年明けの予約を取ろうと思います。
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