先日の、爆弾低気圧で娘の体調大きく崩れた日は、特別支援学校からの訪問授業のある日でした。
昼を過ぎても起きられず、キャンセルを連絡するのは1時頃までとされているため、何回も、「起きられるのか~?」「先生もう島を出はるよ~!」「キャンセルするなら早く決めて~」という問いかけの嵐の時間となっておりました。
本当にダメなときは、「今日は無理…」といい、キャンセルを何回もしてしまった娘ですが、今回は、「う~ん」「起きてる・・・」「う~ん」と、半眠り状態のまま、キャンセルとは言いません。
日ごろから病気の子供さんに接してられる先生なので、「もしも、来て頂いてから授業続行不可能になっても許して頂ける…」と思い娘を放っておいたら、案の定2時ごろにむくりと起きて、身の回りを片付け始めました。
覚醒して起きるためのエネルギーを脳にチャージする時間がまだこれだけ必要なようです。
食事はほとんど摂らぬまま、国語の先生を迎えたわけですが、部屋に入ってしばらくすると、「し~ん・・・」と言う沈黙が続いています。
1時間後の休憩の間、話声が少し聞こえましたが、また「し~ん・・・」となっております。
あれれ、テストをしているの?と思ったらやはりそのようでしたが、体調が悪く頭が働いていないのに大丈夫?と、心配するだけの私でした。
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定期テストをしていたようです・・・
その授業の内容を聞いて驚きました。成績をつけるために、先生も心を鬼にして、なんと原籍校から送られたテストを2つ続けてしたのだそうです!
国語と英語です
出来はどうであれ、健康な同学年の生徒と同じ課題に取り組んで、最後までやり遂げることができるところまできました。理系科目はまだなかなか追いついていないと思うのですが、「高次脳機能障害」で、好きだった読書がまったくできない状態で1年以上を過ごしていた頃の事を思うと隔世の感があります。
国語の試験は、健康な子供でも読むのが嫌いな子はなかなか苦痛だと思うのです。ましてや、1年以上活字から遠ざかっており、脳の失調で活字どころかテレビ画面を見ても5分と経たずに脳がずーんと疲れて重くなり、眠ってしまう状態だった子供にとっては、なおさらしんどいものがあるでしょう。
しかし、まだ脳が完全ではない状態であっても娘が何とか、乗り切れるようになったのには訳があるのです。
速読の能力は日本語にも及ぶ
速読の能力をつけるためのノウハウを書いた本や教材、セミナーが沢山あります。
そのような後天的に技術として身に付ける「速読」とは違うのでしょうが、娘はやたら本を読むのが速かったのです。
どんな人間でも、幼少時にあれほど読書を生活の一部にしていれば、文字処理速度が速くなって当然だと思うくらい、英語の本を読んでいました。
その速読力が、他言語を読むときにも発揮できるのかどうかは、事故後1年以上してから、訪問授業を始めるまでわかりませんでした。
1年以上活字を見ることができることができなかったにも拘わらず、国語の先生は、「読むのが速いです」と驚いてられました。同じ学年のきちんと国語やその他の教科の授業を毎日受けている生徒に比べての話だと思います。
娘は、学校事故により、中学3年間のうち11カ月しか毎日学校で授業を受ける事が出来なかったことに加え、小学校時代のいじめなどで、大阪中華学校に行っていた時期もあり、義務教育期間である小・中学校の中で、今まで日本語で受けた教育の期間は4年にも及びません。
おまけに、就学前の幼児期も、9割方、英語の本やテレビにしか触れていないため、この時点での日本語運用能力は、同年代の子供に比べ明らかに差がありました。
その後、小1の2学期から4年生の夏休みまで、中国語にどっぷりでしたので、日本語の力はますますお粗末なものになっていたと思います。
こういう状態で、小学校の最後の2年半は日本の学校に戻り、かなり追いついた感はありましたが、中学1年の2月の事故により、また日本語での教育に触れることができないばかりか、半年昏睡状態を含む1年以上の、子供の脳の発達に最も重要な期間を、「学び」からも遠ざかる事を余儀なくされたのです。
そんなハンディキャプを抱えながらの定期テストでしたので、途中で脳がもたなくなるのではないか?と危惧しましたが、最後までできたのはやはり、文字を読みきるスピードの速さに拠るところが大きかったのだと思っています。
一度、ある言語で速読力をつけたら、それは他言語にも汎用性があるという実例かもしれませんね。
テストの結果はまた別の話…
現代文は、こんな感じで、問題文を読むのは早いのですが、その後問題を解くための思考力は年相応に育っているかどうかはわかりません。古典や漢文も、未修部分がまだまだあります。
でも、やっと学校の定期考査を時間を計ってできるまでになって、それには小さい頃から培った読書による速読力が支えとなっていることがわかりました。
国語と同時に英語の試験もしたのだそうです。
英語は、今も読書はしんどいようで英語放送や洋楽を聞くくらいしかしておらず、勿論、中二から出てくる、不定詞・動名詞・分詞・受動態・現在完了・関係代名詞という煌びやかな文法用語は、チンプンカンプンのままです。
結局、日本の受験英語の基礎となる部分は全く履修することができないまま中学生活を終了してしまうことになり、今回のテストにどこまで対応できているのか皆目見当がつかない状態でした。
先生が帰られた後、「国語はともかくとして、英語はわからんのなかったか?」と、思わず聞いてしまったのですが、その答えが面白かったです。
「難しいのあったで。単語の並べ替えの問題で、「正しいものを1つ選びなさい」だけど、2通り正しいのがあったから、どちらを選べばいいのかわからなくて悩んだわ…」
その後、別の日に数学のテストをしたようですが、こちらは玉砕だったようです。
公立のテストと言えど、この時期は半分は入試問題レベルである上に、神戸市東灘区の山側にあるこの学校のテスト問題は普通の生徒にとってもかなり難問揃いなのですから無理もありません。
それでも、「定期テストを、座って最後まで受けられるようになれたこと」が、私にとっては本当に嬉しくてたまらなかったのです…
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