前回の続きです。
「交渉役を下ろさせてもらいます!」
もう一つの言葉。これは、信頼を置いていたある先生から電話を通して投げかけられたものです。
娘が走っている時に、足をかけられて吹っ飛び腰を強打したことから発症した事故なので、「加害側」が当然いるのですが、その先生は、まず娘のところに来て事情を聴き、それから加害者側にも話をしに行かれました。
そこまでは、熱心にしていただけて「この先生が担当で良かった…」とほっとしていたのですが、その後、すぐに謝罪に来るはずの加害生徒の保護者が一向に現れません。先生も、「おかしいですねぇ?すぐにでも謝罪に飛んでいく様子でしたが…」と言われます。
しばらくして、保護者が「謝罪はしない」の完全武装で来られ、事故の状況を聞くだけで、娘の顔も見ずに帰られたのですが、聞き捨てならないことを言われたのです。
そして、その保護者曰く、それは、他ならぬ交渉役の先生から出た言葉だそうなのです。訴訟になった場合の事を考えると、その言葉はここには書けませんが、それは私の心に突き刺さるものでした。
それからしばらく経って、学校の保険手続きについて先生方が皆違う事を言い、私も混乱して直接全ての機関に問い合わせる必要があるなど、大変ややこしくなり、結構なストレスとなっていたため、その件で学校に電話をしたところ、その交渉役の先生が出られました。
第一声で「お母さん、互助会から3万円ほど振り込まれることになりましたよ!」と嬉しそうな声でおっしゃいます。私としては、娘がこんな悲惨な状態になって学校からも放置状態になっているため、見舞金など貰っても大して嬉しい気持ちにはなれません。
「そうですか。ありがとうございます…」と感情のこもらない返答をして、それから、まだこちらに返還されていない保険診療分のの還付の事や、見舞金の分割振り込み等のわかりにくい部分について、幾つか確認したり細かい質問していたら、先生もちょっとイライラされているような気がしました。
その時、今なら言える気がしたのです。咄嗟に、今この機会にずっと聞きたかったあの事を先生に聞いてみようと思い立ちました。
「ところで先生、あちらのご家庭の保護者さんが、「✖✖✖・・・」という、信じられない事をおっしゃってまして、それが先生の口から出たと言ってられたのですが、本当にそんなことおっしゃったのですか?」
先生は、すでに私の保険制度についての質問攻めにイライラされていたのでしょう、第1声から、感情的に声を荒げて話されます。そんなことは言っていない。伝えるべき事しか伝えていないのに、一生懸命している自分がなぜ責められなければならないのかわからない?というようなことを強い口調で返されます。
そこで、私は、
「いや、私でなくて、あちらが、「先生が言っていた」と言ってるのですよ。あんなこと言ったとしたらこちらは困ります。加害者側に言うべき言葉ではないですよね?」
などと、言いましたら、一層ヒートアップされて、まくしたてられるので、先生に負けじと口を挟んで「議論を整理」しようとしても、聞く耳をもたれません。
噛み合わない会話が続いたのですが、私はただ、先生がその言葉を「言ったのか、言わなかったのか」、それだけを聞きたかったのです。
一方、先生は興奮状態で、私から「非難をされている」と思い込まれている状態でした。「全く話にならない」、とはこのことです
最後に先生は、こう宣言されました。
「せっかく私が、お母さんに良かれと思って、間に入ってわざわざあちらのご家庭まで行って話をしてきたのに、そんなふうに言われるなら、もういいです。私はこの役を降ろさせてもらいます!もう知りません! せっかく、お金が入ることをお知らせしてお母さんに喜んでもらおうと思ってお話したのに…」
「先生、学校で起こった事故で教員が間に入るのは職務であり当たり前のことじゃないですか?そんなこと教員である先生が言ったらだめですよ!」
「こんなこと電話では話せる内容ではないです!」
「じゃぁ、これからそちらへ行きますので待っててくださいね!」
(会話の細かい言葉遣いは正確ではないかもしれませんがニュアンスは文面の表す通りです。)
何故ここまで感情的になってられたのか今でも謎です
それは、大変な剣幕だったので、この電話の先生のお声はおそらく職員室に響き渡っていたと思います。おそらく、事情を知らない大勢の先生方から、この1件で私はモンペ認定されるに足りたと思います。保護者に対して声を荒げて怒るなど、余程の事がないとありえませんから…
正直なところ、この先生が、何であんなに怒ってられたのかさっぱりわかりません。知的レベルの高いこの先生が、こんな論理的につじつまの合わない怒り方をされて、ただ、ただ当惑するだけでした。
それでも、この事件の中心にいた方なので、交渉役を降りられたらそれは困ると思い、それからすぐに学校へ行くと、先生はもう落ち着いてられましたが、第3者の先生にも入って貰って話をしました。
結局、交渉役のこの先生が色々言った事の一部を切り取って、加害生徒の保護者が自分のところに都合のいいように解釈したことを私に告げたらしいとわかりました。
「先生はそういうつもりで言ってない事を、あちらの保護者が勝手に曲解して、私に向かってそういったのですよね!」と、先生の顔を立てる形で、その場で「和解」をしました。
でも、最初から、私の問に対して普通に「私は加害者宅での話の中で、その言葉は確かに言いましたよ。でも、そんなつもりで言ってはいません。何か誤解があるのだと思いますよ。私はこういうふうに言ったのです・・・」
くらいに答えて、筋道を立てて整理すればよいだけの事です。何を切羽詰まった様子で、怒りだす必要があるのか理解不能でした。
しかしながら、先ほどの先生の感情的な物言いから、私達被害者への対応の底にある素の感情と認識が見えた気がしてしまいました。
この件で、ストレスマックスとなった私は、唯一頼りにしていたこの先生とすら話をするのが嫌になってしまい、完全に学校から足が遠のきました。
やはり皆さん仕事を増やされたくなかっただけなのだろうか?それとも・・・?
(上)(下)二回に分けて、私の心に刺さった場面を書きだしました。
これから言えるのは、この学校事故の事で、先生方は「当事者」の立場で動かねばならない、という意識を持たれていなかったということです。
「保険の手続きをやってあげた」「加害者のところまで行って交渉をしてあげた」という気持ちを持たれていたのなら、当然、それ以上の心配りを、娘にしてあげようとする気持など持てるはずがありません。
「本当に運が悪かったね。でも、「事故」なんだから諦めないと仕方ないじゃない…」くらいの感じで捉えられていたのでは、と思うとしっくりきます。
強いお母さんなら、「わが子の虐げられた権利」を守るべく果敢に学校に対し「被害者としての正当な要求」をされると思うのですが、気の弱い私には到底無理でした。
結局、娘に関しての配慮や要望を殆ど何も伝える事はできませんでしたが、それでも先生方にとって、被害生徒の保護者である私という人物は、
「ちゃんと決められた保険診療分の還付と見舞金手続きはしてやったじゃないか。それ以上何が必要だ?このモンペ!」くらいにしか思われていなかった可能性大です。
*因みに、私はこの交渉役の先生を信頼していて、それまでは学校で唯一、本音で話していた方です。この事故に関してのご自分の「交渉役」という立場についての認識は明らかに間違っておられたとは思いますが、本来良い先生であるという見方は変わっておりません。この学校事故に関して教員達が何か異常な心理状態になるような雰囲気が学校内にあったのではないでしょうか?
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