京都西山にある大原野神社は昨年秋に紅葉見物に訪れた。
桜が咲いているかどうかは不明だが、現在住んでいる地域の氏神様なので天気の良い日に取り敢えずご機嫌伺いに行こうと思い立つ。
大原野神社概要
大原野神社は延暦三年(784)の長岡京遷都に際し桓武天皇の皇后 藤原乙牟漏(ふじわらのおとむろ)が春日大社(奈良県)の神々を勧請したのにはじまるという。
嘉祥三年(850)に文徳天皇が祖父 藤原冬嗣の念願を果たすべく社殿を建立し現在の社名となった。
平安時代に藤原氏が栄華を極めるとその氏神として篤く信仰され、藤原氏出身の皇后や中宮の参拝の記録が数多く残っている。
藤原氏の血をひく紫式部も一条天皇の中宮 彰子(しょうし / あきこ)について参拝したことがあり、小塩山を題材とした詠を残している他、源氏物語 「二十九帖」にも冷泉帝が大原野へ行幸する場面が登場する。
応仁の乱(1467 〜 1477)で荒廃した後、江戸時代に後水尾上皇によって再興された。
境内には奈良の猿沢池を模した「鯉沢池」、清和天皇の産湯で大伴家持が愛飲したと伝わる名水「瀬和井」がある。
【洛西】大原野神社のアクセス、拝観料、見どころ、混雑などの観光情報 - 京都のいろは
石を投げれば、歴史上の有名人物に当たる京都の例に漏れず、ここも有名どころの平安貴族が詣でる由緒ある場であったのは嬉しい。
シンボルは本殿前の対の狛犬ならぬ狛鹿
絵馬も鹿の可愛いものだった
この日は、お御籤大好きの娘が何故か籤も引かず、お守りも買わなかったという謎
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春休みの2日参拝
今まで全く知らなかったのは、ここは千本桜ならぬ千眼桜という珍しい桜が咲くということ。
何でも、毬のような花が一枝にたわわに付いて、それが満開3日間で散り始めるという、なかなかお目にかかれない、まさに幻の桜なのである。
京都のあちこちの桜が満開になりその千眼桜もそろそろ咲いている頃だろうと、気温のぐっと上がった日差しの強い4月の4日にトライする。
自宅から車で10分ほど
駐車場では桜がこの満開ぶりを目にして期待が膨らむ
しかし期待虚しく・・・遠目に見る千眼桜は枯れ木のような色彩で
どの蕾も膨らんでいて今にも咲きたそうにしていたけれど
咲いていたのは下の方の枝のここだけだった…
とうことで、日を置いて出直すことに決定。
それにしてもこの時期、京都の東山の辺りは観光客でごった返していたと思うが、西山は紅葉の季節を除き本当にがらがらで、ストレスなく自然と神社仏閣を満喫できるのが最高の贅沢。
京都の生活の醍醐味ここにあり!
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4月8日に再チャレンジ
「地元の利」とはまさに、素敵な場所に「ちょっとお散歩気分」で行けること。
2回目の参拝は、信号にもかからず7分ほどで到着。
この日も暑いほどの快晴で、4日前にお目にかかれなかったあの開花直前だった桜は確実に咲いている筈。「今度こそは」と気持ちが昂る。
散っていなければいいが。
駐車場から急ぎ足で覗いてみると・・・
おぉ、前回とは全く違った景色が目に飛び込む‼
やっと出逢えた、幻の千眼桜満開の優美な姿ヽ(^o^)丿
本当に丸く花をつけている、今まであまり見た覚えがないような形に感激。
すごいよ、千眼桜‼
神社境内を楽しむ
念願の千眼桜を拝むことができ、後は安心して境内を廻る。
この日は、舞の奉納があり、いつもよりちょっと人では多めだったけれど、それでも「がらがら」といってよい程度
この2年間で初めて手を清められる記念すべき日となった
紫式部や中宮彰子も静々と歩いた(?)石畳
可愛い巫女さんが舞うのだとばかり思っていたら、トラの尾を付けた神主さん(?)が2人出てこられた
最後は4人の神主さんが三礼して終了
祝詞を上げられている時に、強い風が吹いたり、小さくて白い虫の大群が飛んできて娘が襲われたりしていたのは、神様の歓迎の徴だったのだろうか?
作務所の裏側には大きな桜があり、ぐるりと回って桜を撮影する娘を撮影
神社の中で一番の巨木の桜
桜を満喫した後は境内の大きなお池に向かい、中央の橋を渡るふたり。
水面に浮かぶいくつかの生命体を発見した模様‼
こんな素敵な所に住めて幸運だねぇ…
しばらくベンチでまったりと休憩してから
ゆるゆると帰路に着いた。
実は、千眼桜は、大原野神社のTwitterで開花具合が知れるのだそう。翌日の4月9日の報告ではまだ満開
ちゃんとしたカメラで撮ったらこんなに綺麗。白よりのピンクで、清楚であり可憐(大原野神社4月9日Twitterから)
我々が行った時(4月8日)と一日の差で、緑の葉が随分増えたように感じる。美しいものの盛りの時期は短く移ろうのも早いという無常観が身に染みる。
今日あたり、薄ピンクの千の花弁はもう散り始めている頃だろう。
1年後は、娘の進路が既に何かしら決まっている時期であり、どんな心持ちで千眼桜と対面することになっているのか…
春休みも後残すところ1週間となり、春休みに弛緩しきった娘の神経がまたピリピリしてしまうけれど、地元京都西山の美しい自然が緊張とストレスの日々の癒し薬となるよう、四季折々時間を作って訪れたいと思っている。
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