前回の記事では、睡眠障害療養施設で娘が朝に起きていることをお伝えしました。
その喜びを共に感じていただいた読者の方、特に感激のコメントを入れて下さった方々には心からの感謝を申し上げます。
コメントの中にありましたように、まだまだ「完治」ではありませんが、これから「完治」を目指す爲に、生きる喜びを感じながら充実した毎日を過ごすことで、今はやりの免疫機能が高まりこれが完治へつながる事に願いを込めています。
記事の最後に、娘が気合いを入れてバイオリンを弾いたこともご報告しまして、「それが面白かったのでご紹介する」と言っておりましたね。
ドアを二枚隔てた別室に案内されまして、娘がバイオリンを取り出して音を出しますと、「凄い!コンサートホールみたい!」という音の響きだったのです。
その響きに魅せられて、娘は何かが乗り移ったように、ガンガンと弾き始めました。
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音楽に2年のブランクは実際大きすぎるのです
1日練習を休みと戻るのに数日の練習が必要という楽器演奏の世界。
プロのバイオリニストの方が書いておられますが、その方も子供時代に、6年習った後に2年ほどのブランクがあったそうです。バイオリンに戻った時の状態は、悲惨なものだっとそうです。
*音程が取れなくなっている(絶対音感があるので自分では間違っているとわかるが)
*ボーイングがわからなくなっている
*特に高音の音が出せなくて、何も弾けない
はっきり言って、絶望的に下手くそになっているような状態です。特に子供時代は覚えるのも早いけど、忘れるのも早いのだと思います。
右脳型の娘は、ほとんど楽譜を読まずに耳で音を取るタイプで、英語と同じく、耳と感覚で体得した部分があります。なので、その感覚としての部分が、吉と出るか凶と出るかは、まだわかりません。
事故に遭ってからの1年3か月ほどは、1度もバイオリンに触れることができませんでした。それ以来、これまでに数回、長くても10分ほど「触った」くらいなのです。今がどのような状態かは想像するのも恐ろしくも悲しいことなので、敢えて昔の事は思い出さないようにしています。
不幸中の幸いとして思ったことは、「娘が音楽を専門にしようという気持ちを持っていなくて良かった」という事です。そうであれば、遅くても小学校3,4年生から上の先生(プロのバイオリニストや音大の先生)について、毎日学校へ行く以外の殆どの時間を練習に費やすことが必要だったからです。
子供の全ての時間と家庭のサポート、高価な楽器を購入し、コンクールなどに参加して、親も一緒になって想像がつかないほどのエネルギーとお金を注がないとだめなのです。バイオリンに限らず、スポーツや他の分野でもそういうことは同様だとは思うのですが… 費用の面で、やはり音楽、特にバイオリンは別格だと思います。「極めようと思えば」、です。
まぁ、我が家のような庶民家庭には大変厳しい試練であることに間違いはないですね…
もしも、娘がこんな目標を持って、バイオリン漬けの日々を送ってきていたら、立ち直るのにも時間がかかったかもしれません。
しかし、音楽の専門を進路とはしていませんでしたが、娘はそれなりに難しい曲を弾くレベルになっており、失ったものは図り知れないところがあります。
娘がバイオリンに費やした7000時間あまりを台無しにされた事には変わりはないのです。
先日、やっと「弾いた」ことで、今までとは違ったバイオリンとの関わり方になるとは思いますが、それでも、やっと音を奏でる喜びの感覚を2年ぶりに取り戻したのは、大きな希望ではあります。
2年のブランクにより、上記のような音を出す感覚を失ってしまったこと、楽器を弾くのに必要な両肩から指にかけての筋肉が全て落ちてしまったこと、そして、背も伸びて手のサイズも変わったことで、元がそうだったような「自分の身体の一部」といった感覚はなかなか取り戻せないようです。
でも、病院のこの部屋の素晴らしい音響のなかで、久しぶりに「自分の出した音を聞く喜び」を感じながら弾いている娘を見てやってください。最後に怒ります! (1分)
鋭い耳を持った娘にとっては、今の自分は下手すぎて、かなりもどかしく腹立たしいようです。でも、失敗した時に、思わずお母さんの方を振り向くのは小さい子供みたいで可愛いですね。(以前は失敗して止まったりしたことはありませんでしたが( ノД`)…)
これだけでは、娘が可哀そうなのでもう一つ。
事故後、最近まで、あまりにも辛くて見られなかった動画の封印解除します。
事故に遭った中1の時の娘にとっては最後となった発表会です。西宮の芸術文化センターの小ホールなので、音響はこちらは本物の良さです。本来なら今もこんな感じでバイオリンを弾いていたのだという姿を見てやってください。(6分)
Bruch Violin Concerto No.1 in G minor 1st movement
初めは緊張気味で弓がプルプルしていますが、徐々に落ち着いてきました。
人生の苦しみを経験していないので、感情表現がまだまだ浅いですね(-_-;)
ピアノ(少しの期間)とソルフェージュを習っていた先生が伴奏なので息はバッチリです。
それにしても、こんな経験をしたことで、沢山の人に(素人)バイオリン演奏を聴いてもらえるのは、なんというか、とても幸せな事なのでしょうね。
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