キジは何を感じたのか(東スポWeb)

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 トンガ沖で15日に海底火山が大噴火をした影響が生物にも!? 千年に一度クラスの大噴火と言われ、衛星写真でもハッキリと分かる衝撃波が世界を駆けめぐった。あまりの規模の大きさに、今後2~3年にわたって気候への影響を指摘する声も上がる中、ネット上には人や鳥への影響を報告する人も現れている。

トンガの首都ヌクアロファから約65キロ北に位置する海底火山フンガトンガ・フンガハーパイが大噴火を起こし、噴火の際に出た衝撃波が空気を振動させる「空振」の影響で引き起こされたとみられる津波被害の状況が徐々に明らかになってきた。

 海底ケーブルが損傷して通信ができず、オーストラリアとニュージーランドが哨戒機を飛ばして空から確認したところ、空港の滑走路は火山灰に覆われて救援活動に使用できない状態。離島の中には村ごと壊滅状態の地域もあるという。

 一方でトンガでは雨水をためて飲料水にすることも多く、噴火で空中に飛散した硫黄酸化物が酸性雨として降り注ぐため、飲料水の早急な供給も求められている。
 千年に一度といわれる大規模噴火の火口があったフンガトンガ・フンガハーパイ火山島はというと、衛星写真で確認する限りほぼ跡形もなく消失。噴火の威力のすさまじさを再認識させた。

 また、噴火直後に同心円状に広がった衝撃波は世界中を駆けめぐり、各地に津波を引き起こしたが、それと同時に気圧の変化も観測。生物にも影響を及ぼしている可能性があるという。

「噴火の衝撃波が日本に到達したと思われる時刻あたりで、急にキジが鳴いて騒ぎだしたとネットで報告する人が増えたことが話題になっています。繁殖期ではない1月に、しかも夜にキジが鳴くのは珍しい。因果関係は不明だが、警戒する鳴き声を発していたと報告する人もおり、キジが気圧変動を察知して騒ぎだしたんじゃないかと考える人もいるようです」(動物ジャーナリスト)

 日本で地震予知すると信じられている動物といえばナマズが有名だが、実はキジも地震予知をする動物といわれている。「キジが鳴き続けると地震がくる」「いつも鳴かない時にキジが鳴くと地震がくる」「地震がきた直後にキジが鳴かなければ、間もなく大地震がくる」など、さまざまな俗説がある。今回は地震ではなく衝撃波による気圧変動だったが、やはりキジは何かを感じ取っていたのかもしれない。

 そんな中、噴火の衝撃波による気圧変化で、頭痛を引き起こされたと報告する人が増加。ツイッターには「トンガ頭痛」なる不謹慎なハッシュタグが一時トレンド入りした。

 しかし、これにはツイッターユーザーも即座に問題視。「武漢肺炎とかインド株とかで、あれだけ地名は使うなって言われたのに何してるんだ!」といった声や「親日国のトンガの人がこれ見たらどう思うか考えるべき」など、批判の声が相次ぐ事態となった。

 遠く8000キロも離れた日本にまで影響を及ぼした今回の大規模噴火。現地トンガへの救援が急がれる。