私は京都生まれのお雛様です。
くららちゃんのお母さんがちっちゃくて可愛い頃からずっと成長を見守ってきました。
とても小ぶりな私たちですが、フットワークは軽いため、今は京の都と奈良の都の中間地点の小さな街までお供しています。
くららちゃんとは赤ちゃんの頃から一緒に遊びましたね。お顔が禿げたり、ぼんぼりがひしゃげたり、大事な楽器や柄杓が飛んだりしましたが、それもご愛嬌。
毎年たくさん眺めて愛でてくれてありがとう。春に逢えるのをいつも楽しみにしていましたよ。
でも、くららちゃんが中学生になってからは、桃の節句の3月3日になっても一度も箱から出して貰えませんでした。一体何が起こったのか、お内裏様も官女や囃子たちも皆で心配していたのです。
真っ暗闇の中で季節は四度巡りました
そして春めいた陽気の一昨日、お母さんがやっと私たちの事を思い出してくれて、くららちゃんの小さなお部屋の小さな机の上にトンと置いてくれたのです。
くららちゃん、お久しぶりです。本当に大きくなりましたね。
優しいお顔で見つめてくれてありがとう。
あなたのぷっくらした頬っぺは、昔のまんまですね…
(令和2年3月3日 )
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