今日は予定を変更して脳脊髄液減少症のお話です。
一時は睡眠障害治療の病院で症状がかなり軽減した娘でしたが、梅雨の足音が聞こえてきた今日この頃、徐々に頭痛や眠気の頻度が増してきて戦々恐々とする毎日です。
そんな時、励まされるのが2度のブラッドパッチを経て現在元気に高校生活を送るSさん。元々運動神経抜群のお嬢さんですが、昨年9月の2度目のブラッドパッチ直後から目を見張るような回復を見せられて、それをリアルタイムでお母さまから伝えていただいておりました。
ぜひ患者の皆さんと共有したく思い今年1月には記事にもさせていただきました。
この記事の後も順調な回復の道を歩まれ運動制限もなく他の高校生徒同じペースで生活されています、というより、普通以上に動いてられますが再発もされておりません。
お母さまからのLINEで、一万歩歩いたり1時間ジョギング(!)したりご家族と山へ登ったりと日を追うごとに逞しくなるSさん。何となんと、2度目のBP以降は一日も学校を休んでいないという快挙です‼
このような嬉しい報告を受けるたびに、「脳脊髄減少症でもここまで回復するのだ!!」という明確な希望を現在進行形で与えて続けていただいております。
完治してわかる「諸々の症状」の由来
一番衝撃だったのは、娘のように過眠症状が酷かったSさんですが、2度目のBP(ブラッドパッチ)直後から朝目覚められるようになったということです。
また、この病気の方の殆どにみられる頭痛については、何度かぶり返しがありましたが数か月後には消失したということです。
脳脊髄液減少症は脳神経に影響する病気なのでのあらゆる症状が出現します。こんな症状もあるの?というような症状でも、BPが成功して髄液漏れが止まれば消失することからやはり、脳脊髄液減少症の症状の一つだったとわかるのです。
そして、2度目のBPから9か月が経とうとするSさんにも、この病気によりどれだけ多くの症状が存在しそれに苦しめられてきたかがわかったそうです。それを纏めさせていただくことにしました。
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あれもこれもどれも髄液漏れが原因だった・・・
BPを受ける前の中学生の時のSさんの症状です
★呼吸ができない
★激しい頭痛
★めまい
★嘔吐
★便秘と下痢の繰り返し
★酷い肩こり
★酷いニキビ
★記憶障害
★人格障害(顔つきが変わり、映画「エクソシスト」に出てくる女の子のような怖い感じに…話しかけても表情が怖いままで返事も曖昧)
★睡眠障害(過眠で起こさなければ一日中寝ている)
★眩しさ
列挙しましたが、一つ一つの症状だけでも生きづらくなる重篤なものです。同様の症状の患者を傍で見てきた人間にはその一つ一つの名称の文字を見ているだけで非常に辛くなります…
~1度目のBP(腰)後1の変化~
Sさん「激しい頭痛とめまいが一時的に消えたがまた徐々にぶり返した」
⇒ RI脳槽シンチの結果からも、BP後に一度髄液漏れが止まった、或いは止まりかけてからまた 再発したことがわかっており、それと連動した形での頭痛の消失と出現となっています
~2度目のBP(背中)で消えた症状~
Sさん「直後に、眩しさ以外の症状全てが消えた」
「半年後くらいから、親が起こさなくても自分で起きられるようになった。7時間眠れば朝にはすっきりする」
その他にもおそらく脳脊髄液減少症の影響だと思われる症状変化があったようです。
★酷い生理痛 「最近無くなった」
★アレルギー 「海老アレルギーがだんだんましになっている」
問題として、以前病院では眩暈以外の症状に関しては脳脊髄液減少症との関連を否定されることが多かったのだそうです。これはほとんどの患者さんが経験することですが、お医者様はご自身で髄液漏れの経験をされてないために、予想を超える多岐に渡る症状の出現を認識されないことは多々あります。
また、漏出により減ってしまった髄液量が元に戻るのに、噂では3か月から半年かかるということを実証するように、Sさんの症状の中には半年経った頃に消失したものが存在します。
現在唯一残る「眩しさ」の症状に関しては、対策として学校の体育授業にはサングラスを持っていかれるということ。この症状もこの病気特有のものであり、多くの方が「室内の照明さえも眩しい」と訴えられるのを聞きます。
もっと髄液量が増えた状態で脳が安定化することにより最後のこの症状が徐々に消えてゆくことを切に願います。
Sさんは秋口に悪化する傾向があり、2度のBPはいずれも9月でした。台風の到来により気圧が下がることが多い影響かもしれません。ですので現在の回復した状態で思う存分活動はされていますが、内心は「今年の秋までは油断できない」との警戒心はまだまだ持たれているとのこと。
この秋を乗り切れば、更に「完治」が確信へと変わることでしょう。
一番辛かったのは病気よりも周りの人の態度
このように、2度目のBPがピタリと漏れの部分に当たり、劇的な回復を経験してこられたSさんですが、一番辛く現在もまだ癒えない思いがあると言われます。
それは記憶障害が酷かったため、友人とコミュニケーションが取れずいじめに遭ったこと。その中には本来はそんなことをする筈のないような子もいたので、これはつまり「Sさんの状態が周りの理解を超えるほど酷いことになっていたからだろう」とお母様はおっしゃっています。
周りの子を責める気持ちは持たれていませんが、Sさんは今でもこう言われるそうです。
「身体の痛みよりもいじめられたことを鮮明に覚えている…」
娘もそうですが、本当に弱り果てた時に周りの人間の本性が見えます。
私達の娘は若くして難病に囚われそこから人間の負の部分を垣間見てしまいましたが、それは苦い勉強として今後の人生を乗り切ってゆく為、そして何よりも大人になっても「良い心持ちの人間」でありづづけるための貴重な糧となってくれるに違いないと、私とお母様の考えが一致したものでした。
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