今週は娘の運命が大きく動く1週間だった。
3月2日、入院中の娘に会いに行き、最終の意思確認をした。
娘が、4月から学校へ登校できそうかどうかは娘自身にしか判断がつかない。
「どうする? 受験できそう?」
娘は、私の目をまっすぐに見つめ、迷いなく、大きくしっかりと頷いた。
3月3日、唯一可能性として残された全日制学校に、今からの受験の可否を問い合わせる。
出願OKの許可をもらい、夜、中学の担任の先生の携帯へ留守電を入れた。
3月4日、担任から連絡が入り、調査書と卒業見込み証明書の作成を依頼する。
昼からは電車で1時間以上離れた進学希望の学校近辺の不動産の内覧に行く。
3月5日、昼に担任が出来上がった出願書類を持参してくれる。直接手渡しが必要なためだそうだ。
「調査書は開けてはダメですよ」と念を押される。知りたがりで隙あらば見てやろうと思っていたのを見抜かれていたのか?
調査書の表の宛名は、先生にとっても、初めて娘が前に進むための力となれた満足感が溢れるかの如く、毛筆で力がこもった力作である。
ぎりぎりに行動するのが自分の悪い癖である。願書も資格証明書もまだ用意していない‼
学校へ行けなった娘にとっては大事な大事な資格証明書。英検1級の証書はどこへ行ったかわからない。そして、「現在娘が本来ある筈であった姿を暗示させる効力のあるもの」としては、あのテレビ取材の時のTOEIC980の証明書だけだ。
TOEIC、まるで傷を負った娘を守護する眷属のようである。
ネットからダウンロードした願書は3枚。これまでの娘の様々な思いを代弁するべく一生懸命思いを込めて書いた。
証明写真3枚が必要・・・
もう高校は諦めていたから撮っていなかった。うっかりしていた。
娘の病院は遠く、退出許可も現在の情勢では難しい。今から撮るのは非現実的なことだ。
一か八か、文房具や書類の棚をひっかきまわしたら、あった、あった、丁度3枚。
おそらく、事故に遭う前にTOEICを受ける時のために撮っておいた、普段着の証明写真だったと思う。お気に入りだったキティちゃんのアニマル柄のパーカーを着ている。
ふざけていると思われないように、学校に電話で事情を話して了承を取っておく。
この写真がなかったら危ないところだった…
またもや「眷属TOEIC」に助けられた形の娘。
これで、すべて揃った。もう午後4時である。今週中に到着するように郵便局に走る。
書留、速達、普通郵便。どれにしようかと迷うが、優秀な日本の郵便配達事情を信じて、窓口の女性の「普通郵便で明日着きますよ」に従い、140円で送る。
娘が、ぎりぎりのタイミングでスタートラインに立てた日、3月5日
願書を出せる事が、こんなに幸せに感じたことは初めての経験だった。
結果はどうであれ、
「これからの未来に向かって一歩を踏み出せること」が、今までの、「気持ちはあれども、悲しい程にどうしても動けぬ長い苦渋の日々」を思い起こせば、郵便局で切手を貼って受け付けてもらえた時点で、もう既に、感無量の気分が溢れ出し達成感を感じて仕方がないのだ。
完全な見切り発車であるが、途中で娘が振り落とされたら、私も一緒に飛び降りて、そこからまた、二人でゆっくり起き上がり、未来のあるべき方向に視線を向けて、ペースは遅くとも一歩一歩、手を携えて歩み始めればいいのだから…
娘の心惹かれる方角に向かって、さあ、賽は投げられた!
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