Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~

小学6年でTOEIC980点を取った女の子のお話。中学1年での、学校体育時の事故が原因で「脳脊髄液減少症」を発症。現在はほぼ寝たきりとなり1年が経過しました。

学校廊下のガラス窓を木製椅子で叩き壊した私

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は「学校」の校舎の中におり、長い階段を降りて地階に向かっていた。正面左に見えるのは教室ではなく作業室であろうか、体操服、半そでの白シャツに紺のハーフパンツ、赤白帽をかぶった男子生徒たちが熱心に掃除をしており、そのうち何人かはこちらが気になるようで、入り口からチラチラと見ていた。

 

 

私は始終、ある人物に会いたくないな、と思いながら、早く用事を片付けてこの学校という場から立ち去りたかった。しかし、かといって、一体何をするためにここに来たのかもわかっていない。男子生徒達はこちらが誰だかを認識したようだったが声をかけてくるものもいない。私は結局階段を最期まで降りることはなかった。

 

そして突然場面は変わる。私の視界は上にある娘の教室の方へ向かってゆき、最後は教室の前の薄暗い廊下に立っていた。突き当りにある扉のほうに顔を向けている。この扉は暗い色の重そうな様子で、固く閉ざされてる。右手は教室、左手は外に面する窓。外の空気は鉛がかった黄色く濁った色をしており、木々が黒い影になっている。時刻は、夕方に近づいていたようだ。右手の教室は電気もつかず誰もいない。私は一人で何もせず立ったままその廊下の暗さを全身で感じ取っていた

 

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そして突然、自分の中に沈殿していたらしい冷たい藍色の衝動が蠢くことにより、私はその存在を意識した。そうしてoutrageとも呼べるその衝動を充足させる必要があるのだと感じていた。右手に置いてる2つの古い木製の椅子が目に入った。「よし、これで左側の外に面している大きな窓をたたき割ってやろう」と思った。

 

心には感情の波は無い。ただそこには冷たい衝動のみがあった。その椅子の一つの背もたれの部分を片手でつかむと私は全身の反動を使い思い切りその椅子を振り上げた。一度目、二度目で大きなガラスにはひびが入り、三度、四度と続けて椅子を力の限り窓に叩きつけると、3枚のうちにの真ん中の1枚のガラスは飛び散り、大きな穴が開いた。

無表情のまま、ある程度の満足感を覚えている自分がいる。

 

次は残りの窓を壊すべく、椅子を叩きつけたが、今度は何かゴムのような変な抵抗の感触があり、割れる様子がない。何度も椅子を使っての破壊を試みたが力はガラスに伝わらない。私は無感情のまま「これは割れないな」と思った。

 

諦めて教室の中へ入り、今度は廊下に面している窓を壊そうとしたが、見ると、白い紙を張った障子の戸がガラス窓の内側に二重についていたため、「紙が守っていてはこれは割れないな」と思いそれには手を出すことをやめた。

 

廊下に出ると、担任の女性教師が立ってそれを眺めていた。私は彼女より背が高く上から彼女をを見下ろしていた。先生は物音を聞き駆けつけてきたのだと思うのだが、椅子で窓を割ろうとしていた私を見ても全く動揺していない。

そして私に背を向けて、私がさきほど割った外に面している窓の被害を調べていたが、割れたはずの真ん中の1枚の窓は何故か割れていない・・・

「割った窓は一番奥の窓だったのか?」と私は思い直し、先生にそれを見つけてほしいと強く思ったのだが、彼女は「割れている窓はない」という。

 

そうして彼女は、私について来て欲しいという。歩きながら、彼女は私に尋ねた。

「昨日までのあなたとは違うことを何故したの?」と。

 

 

その時私は気づいた。私は、娘だった。白いシャツとハーフパンツを履き、赤帽をかぶり、紺のハイソックスを履いている。

 

女性教師は、私を、体育館に連れていった。そこには小さい低学年の子から大きな子までが体操服で課外活動のようなことをしていた。私達は暗い廊下から、明るい体育館の中で歓声を上げて遊ぶ子供たちを見ていた。

 

そして、女性教師は、私に「ちょっと待っててね!」と言って体育館の中へ入っていくと並んで体育座りそしている子供達の中の一人に声をかけこちらに連れてきた。私より少し小さいくらいの、長い三つ編みの2つのおさげをしている肌の浅黒い、エキゾチックな目をした女の子である。体育の白帽がとても似合っている。こちらを上目遣いで見ながら、はにかむように神秘的な笑みを浮かべていた。「外国人の血が入っている子かもしれないな」と、私は思った。

 

そうして先生は私に向かって言った。「あなたを通して、この転校生の子をこの学校に統合する運びとなります」

 

一瞬私は何のことかわからなかったが、少しして、「あぁ、私は昔は結構知名度があって、この子も私のことを知ってるんだな。でもなんで今更・・・」と感じた。

 

同時に、以前の輝いていた自分がまだ他人の心に生きていることを知って、先ほどの行為を少し恥じたが、それはすぐに別の感情にかき消された。「かつての自分がどうだとか、今さらそんなことどうだっていいや・・・」、と思うと同時に、また先ほどのように何かを破壊したい藍色の冷たい衝動に無感情なまま囚われててゆく自分がいるのを感じるそれは静かではあるが抑えがたく成就されてしかるべきものなのだ、と思う。

感情のないところの衝動・・・

女の子の薄い鳶色の目がこちらを見ている。自分の中に躊躇は無くはないが、それでも私は椅子か何かがないかと周りをそろりと見回した。その時、

 

「ピンポーン!」

 

インターホンの大きな音ではっと目を覚ました。そうだ、宅急便の荷物が届くことになっていた。ソファの上でうたたねをしていたのだ・・・

 

荷物を取りに行く間も、私は、覚醒半ばでぼぅっとしながら「一体何だったのだ・・・今の変な夢は?・・・」と、荷物を受け取り、サインをする間も、ずっと夢の内容を反芻していた。

 

(続)