入院第6日目11月3日(日曜)、福山の朝の空です。
昨日中断したところから続けます。
ブラッドパッチ後の安静
11月1日午後のブラッドパッチを終え、帰ってきた娘は、第一頸椎にブラッドパッチをするために首から針を刺して血液を入れました。その後がかなり痛そうで、話をできるような気配でもなく下向きの安静状態のまま、2時間を過ごし午後4時半になりました。ここからはお手洗いに行くのはOKです。
手術室で娘は泣いた…
ここまで、昼が絶食だったため、しきりに「お腹が空いた!」と言います。夕食までまだ1時間半あるため、1回のローソンで、柔らかいピザまんを買うようにリクエストされました。
それを食べてお腹が落ち着いたのか、ここで娘はやっと語り始めます。
「麻酔をしてたから、その後注射器を刺すのは痛くはなかったけど、血を入れ始めたら中から圧迫されて、痛いというのでもなく、何か変な感じで我慢していた。結局、首から17cc、腰から10ccを入れたと言ってはった」
「へぇ~、そんなに沢山入ったの!」
「そのあと、ずっとうつ伏せのままでCTを撮ったのだけど、ブラッドパッチをした時から、久しぶりに頭がすごく軽くなってすっきりして本当に治ったみたいな感じがしてきたねん。
”これでやっと終わるのか……” と思ってCT撮ってる間ずっと泣いていたんやで」
「・・・・・・・・・・」
そういえば、ストレッチャーに乗って部屋に戻ってきた時に娘の目の周りが紅くなってる気がしていたのですが、そういうことだったのか…
娘が自分でも体感したことのない頭の軽さを感じたのは、脊髄硬膜にブラッドパッチによる圧がかかって脳の位置が上がったからなのです。
これは、「バルーン効果」と言って、多くの患者さんが経験することなのですが、この良い感触がずっと続けばブラッドパッチは有効だったと言えるのですが、まだ髄液が漏れている場合は数日から一週間ほど経過しすると、まただんだん脳が下がって来て元の悪い状態に戻ってしまうのです。娘はこのバルーン効果の事を知りません…
しかし、中学2年の時の3回のブラッドパッチ直後にはここまではっきりした感覚は得られず、今回初めて事故に遭う前の正常な自分の脳の感覚を取り戻せたことで、本人の喜びと感慨はひとしおのようでした。
ブラッドパッチ後1日目に出現した良い兆候
実際、今はブラッドパッチが成功したかどうかは判断不可能な状態ですが、この時点での良い兆候である「脳が上がった状態の本人の体感」が得られたという事で、第一関門はクリアしたと捉えています。
今は只管このことを希望につなげています。
第二の良い兆候としては、まだ寝たままなのですが、頭痛が今のところ消えています‼針を刺した首は痛い痛いと言っていましたが、「いつもの頭痛はない」というのです。
これから、立ちあがれるようになった時、そして、爆弾低気圧が来た時に、頭痛が軽減、または消失したままでしたら、そこで「効果あり!」との判断ができるのです。
第三の良い兆候もあります
この病院に来てから腰から硬膜外への常注点滴をすることにより、脊髄硬膜に外からの圧が上がり、脳が少し上がった状態になっていたこともあるのでしょうが、夕食は完食に近い形で食べていたと電話で話すので、信じられませんでした。
今までの入院では、少し口をつけただけで、「もう食べられない、無理…」と呟いて1~2割しか食べなかったのが、こちらに来てからは9割は食べているというのです。
この日の夕食も、家にいた時とは比較にならないほど食べました。ほぼ完食するのを実際にここで目撃して、「脳の状態に何か変化が起こったのだ」と感じざるを得ません。
特に、白米を病院の大きめの入れ物で完食した姿は「快挙!」と言ってもよい衝撃的な光景でした。家では、あれだけ好きだった白米を一日一口も食べないことが多かったのですから…
夜も止まらぬ食欲
それどころか、夕食後1時間ほどしたらまたお腹が空いたので、おやつを欲しいと言い出すことに。
ずっと食べたかったローソンのチーズケーキ、大好物のタピオカミルクティー、私が新幹線のおつまみ用に買った、「なとり」のおつまみセットのチーズ鱈スティックと薄切りサラミを、食べ続けました。 嬉しさのあまり、写真を撮っていました…
(この日の夕食は、脊髄に上下の圧をかけないように寝たままの食事の介助でした。この時も必要上寝た状態での食事となっております。足はお行儀悪いですが、楽な姿勢がこれですのでご理解の程を…)
11月1日、ブラッドパッチ手術後の夜は、このような私にとっては至福の光景に立ち合った余韻の中に終わりました。
夜は娘の傍に簡易ベッドを置いて寝る
動かさないようにするために、2~3日は娘の手足となるべく傍を離れません。そのためには、ここで寝泊まりすることになります。
福山医療センターの偉いところとしては、この脳神経外科は本当に遠くからの患者さんばかりなので、付き添いの人間も泊まれる配慮があることです。
簡易ベッドが一日200円、清潔な寝具に至っては、無料という破格の待遇です。母に付き添っていたホスピスでは、布団業者からのレンタル代金を初回1週間で4000円近く取られ、開けてみればしみだらけのシーツ、という残念なものだったので、今回は幸運でした。
寝心地は、お値段なりでしたが、いつもの家の小さなソファーで寝落ち状態に比べれば十分なものでした。本当にこういう面での耐性はあるなあと我ながら感心します。
いつもの如く、何の夢も見ずに、翌日の朝を迎えました。
翌日は腹痛に苦しむ
翌日11月2日(土曜)入院第5日目。
この日は、娘の「お腹が痛い…」で始まり、「お腹が痛い」で終わりました。
いつもそうなのですが、入院中はお通じがなくなり、その状態で、前夜、本人比では滅茶苦茶に食べたので、腸がこなしきれなかったのか、一番痛い状態になったようなのです。
体を水平にして寝て居なければならないのに、朝、痛みで起きてトイレに30分近く籠ってしまい、私はひやひや。「いきんだらあかんで~!脊髄に圧をかけないように!」と、声をかけながら長い時間を待ちました。こんなことになるのなら、ブラッドパッチ前に浣腸でもしてもらえばよかった…
昼に先生が、来られたので整腸剤をお願いしましたらビオフェルミンが届けられました。
そんなわけで、朝は、食べられず、昼も少しだけで、2時ごろに目を覚まして3時ごろにおやつを食べ、6時の夕食は7割ほど食べました。そして、お夜食は「プリンが食べたい」と言うので、ローソンの「チーズプリン」を買ってきてやりました。ローソン、8時ー10時なので、本当に助かります!
問題の過眠なのですが、今のところ大きな変化は見られません。これが一番気になるところなのですが…
昨日は、午後2時に目を覚ましてからは、ずっと起きていたように思います。そのせいで、夜中の2時ごろまで寝られなかったみたいで、寝返りばかり打っていました。
これは昼夜逆転気味ですので、まずはこれを正常に近づけてゆかないとだめですね。
現在、11月3日の朝11時ですが、まだ起きられる様子はありません。同室の脳脊髄液減少症の重症化した大人の患者さん達も朝食を済ませてからまだ寝たり起きたりされています。
一喜一憂せずに、引き続き見守ってゆきたいと思います。
*昨日は、今まで以上に沢山の応援を頂き有難うございました!アクセス数4400のうち138人もの方に励ましのクリックをしていただき、娘に報告しましたら「これは、私も頑張らんとあかんな…」と嬉しそうにしておりました。本日も皆様の暖かいお気持ちを届けてやって下さるようどうぞ宜しくお願いいたしますm(__)m