Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~

小学6年でTOEIC980点を取った女の子のお話。中学1年での、学校体育時の事故が原因で「脳脊髄液減少症」を発症。寝たきりから「復活」の兆しが…

娘に「鬼母」のようなひどい事をして久々に人前で泣いてしまった爆弾低気圧の日(上)

 

一昨日木曜日は、支援学校の数学の先生に来て頂く日でした。

 

おばあちゃんを9月16日にお空に送ってから、以前のように週2回、国語と数学の先生に来ていただいています。夏休みに数回だけ来て頂いてから、しばらく間が空いてしまったため、私たちにとってとても大事な日なのです。

 

娘は、中1の三学期から、中3の5月まで、脳脊髄液減少症による高次脳機能障害のため、全く勉強が出来ませんでした。脳と視力の疲労感や認知の低下で、テレビも本も授業動画も見ることが叶わず、1年以上、学力がすっぽり抜けている状態でした。

 

少し回復した中三5月から始まった特別支援学校の週2回の訪問授業は、そんな娘にとって学力の命綱となっているのです。 

 

それが、この日は、朝から雨が降りそうなどんよりした空模様。11時頃に何度も声をかけてもピクリともしません。

 

嫌な予感…

 

気圧アプリの「頭痛〜る」を開いてみると、あぁ…何てことでしょう。気圧は急降下で、爆弾低気圧のマークへとまっしぐらではないですか・・・


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先生が来られるのは3時、特別支援学校を出られるのが1時半頃なので、その時間までに、娘が授業に耐えられる体調かどうかを毎回見極めなければなりません。

 

その日は、間の悪いことに、私は1時から人と会う約束がありました。

なので、12時40分に起こし始めたのですが、いつもなら、娘は自分でも覚醒へ向けての努力をするところが、頭痛と眠気で全く無理な様子。

 

私は、焦り始めて、 

やっと二次関数に入ったとこやろ?頑張って起きて!受験に間に合わないから、がんばって何とか目を覚まして!

しかし、娘は、このような私の必死の懇願も届かない遥か遠い意識の中にいました。

 

あたまが…い・た・くて…」と、細い声で答えると、また意識が遠のいていき、熟睡モードに入ろうとします。

 

私は、パニックのようになり、叫びます。 

キャンセルするのもう何回目?せっかく私達に情けをかけて来てくれてはるのに…支援学校に見捨てられたら、あんたは自分がもう終わりなのがわかってるか?何で今日に限って起きられないの?!

 

娘は、うっすら聞こえていたのか、

バク・・ダ・ン低気圧…だから、む・り…」と消え入るような声で言います。

 

この状態からでも、普段は何とか覚醒するので、私は娘にシャキッとさせようと、

 

私は、申し訳なくて学校に連絡したくないわ。あんたが自分で電話かけてよ!

 

と突き放すように言いました。まさか、本当に自分でかけるとは思いません。この言葉で娘が必死に目を覚まそうとすると思いきや、娘は本当に電話をかけた!

 

もしもし…ふじ…た…くらら…です。すみ…ません…、ばくだん…ていきあつ…で…、ねむ…くて、あたまが、すごく、いたく…て…おきられ…ないです…すみま…せん…

 

と、消え入りそうな声で支援学校の先生に話し始めました。事情がわかってられる先生方は、優しい対応をして下さり、翌日金曜日に行こうか?と言って下さったようですが、あいにくこの日は、MRIの撮影が入っていました。

 

残念ながら、この週は数学が無しと言うことになってしまいました。「では来週」、という事で電話を切った娘は安心したのか、一瞬で眠りに落ちてしまいました。

 

私は、せっかくの大事な大事な授業の機会が失われたことが無念で仕方がなくて、あろう事か、腹いせに「バタン!」と大げさにドアを閉めて、家を出ると言う愚行に及んでしまいました。娘には聞こえていたと思います。可哀そうなことをしました・・・

 

そしてその後、約束の場所へ行って娘の状態を良く知る人の顔を見た途端、涙が溢れて止まりませんでした。

 

悲惨な状態にいる娘にひどいことをしてしまった自分に絶望したこともあります。が、それ以上に、外へ出ると皆、昼下がりの明るい光の中を、普通に生き生きと外を歩いている姿を見て、何故、私たちが、「睡眠から覚醒する事」に恐ろしい労力を使い、児童虐待まがいのあのような異常な時間を空間を繰り広げなければならなくなっているかという・・・再び、「不条理・理不尽」というこの事件のキーワードに私の心が呑み込まれてしまったのです。

 

気を取り直し、あちらこちらで用事や手配を済ませて4時頃に戻ると、娘はまだ熟睡していました。結局夕方の5時半までピクリともせず眠り続けていました。

 

事故のこと、病気のこと、勉強のこと、受験のことで、途方に暮れたようになっているのは娘の方なのに、私は、その弱り切った中の一番しんどい状態の日の娘に、自分のイライラをぶつけて当たり散らしたのです。

 

まさに、「鬼母」による子供への精神的虐待が展開されているのを、私はその時も半ば確信犯的に意識しながら娘を罵る自分を止めることができませんでした。

 

事故の一番の被害者である、全てを失った哀れな娘に当たり散らさなければならぬほど、精神が追い詰められ、心が荒んでしまっている自分をはっきりと自覚したのです。

(下)に続く・・・ 

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